「なんとなく不機嫌」「モヤモヤしてるけど、理由がわからない」
そんな心の状態が続くと、知らず知らずのうちにストレスがたまっていきます。
40代は、仕事や家庭、人間関係の中で感情の揺れ幅が大きくなる時期。
でもその気持ちをうまく言葉にできないと、心の中に“未処理の感情”が残り、自己理解もコミュニケーションもうまくいきません。
そこで今回は、語彙力を使って自分の心を整える方法=「言葉のセルフケア」をお伝えします。
語彙は内面を映す鏡。
少しずつ増やしながら、感情とのつき合い方をやさしく変えていきましょう。
「語彙力=心の整理整頓ツール」と考える
語彙力というと「難しい言葉をたくさん知ること」と思われがちですが、ここで言う語彙力とは「感情や思考を具体的に言葉にする力」のこと。
たとえば「イライラする」の中には、「疲れている」「無視された気がした」「焦っている」など、さまざまな感情が混ざっています。
それを正確に言葉にできるだけで、心のモヤモヤは軽くなるのです。
語彙は、感情を“棚に並べるラベル”のようなもの。
ラベルがなければ、何が起きているのか整理もできません。
だからこそ、心を整えるには語彙が必要なのです。

曖昧語から脱出!「気持ちを3語で言ってみる」習慣
「なんかしんどい」「まぁまぁかな」「いろいろあって…」
つい使ってしまう“あいまい語”は、感情の渋滞を生みやすくします。
そこでおすすめなのが、気持ちを3語で表すメモ習慣。
「疲れてる」「焦ってる」「でも安心したい」
「さみしい」「怒ってる」「でも言えない」
こんなふうに、思っていることを無理にまとめず、単語で3つ書き出すだけでも、内面の輪郭が見えてきます。
日記ほど重くなく、でも自分と向き合える。
語彙で気持ちをほどく第一歩です。

言葉を増やす前に、「感じる力」を取り戻す
語彙力を高めるには、「どんな言葉を使えばいいか」だけでなく、「今、自分は何を感じているか」を知る感覚が大切です。
たとえば
胸のあたりが重い?
呼吸が浅くなっている?
なんとなく落ち着かない?
このように体や感覚に意識を向けると、自然と出てくる言葉があります。
「不安」「焦り」「物足りなさ」など、感情と語彙が結びつく瞬間をキャッチすることで、無理なく言葉の精度が上がっていきます。

日常で語彙力を育てる「ことばのノート」習慣
語彙力は、記憶力ではなく「気づき力」で育てるものです。
日常の中で出会った「いいな」と思う言葉を、ノートやスマホにメモしてみましょう。
書籍やドラマで印象に残ったフレーズ
人との会話で心に引っかかった言いまわし
自分でふと使った言葉で「いい感じ」と思ったもの
書きためた言葉は、心が疲れているときにそっと役立ちます。
“言葉の引き出し”を増やす感覚で、日常の中に語彙をストックしていきましょう。
「伝える語彙」より「整える語彙」を大切に
語彙力というと、「人に伝えるための武器」としてのイメージが強いかもしれません。
もちろんそれも大切ですが、40代以降は、“人に伝える”よりも“自分を整える”ための語彙を意識することが、とても効果的です。
無理にわかりやすく説明しようとしなくていい
まずは、自分の中でしっくりくる言葉を見つける
「怒ってるんだな」「寂しかったんだな」など、ありのままの気持ちに言葉を当ててみる
自分の内側を正しく言語化できるようになると、不思議と心が落ち着いていきます。
やさしい言葉を自分にかける習慣が、人との関係にも自然な余白とやわらかさを生んでくれます。

語彙力は、自分とのつながりを深めるツール
40代になると、心の中が忙しくなる一方で、それを言葉にする力が追いつかなくなることもあります。
でも、ほんの少し語彙を意識するだけで、気持ちの輪郭が見え、整えることができるようになります。
語彙は、感情を棚に並べるラベルのようなもの
曖昧な気持ちは、3語で書き出して整理してみる
感覚に耳を澄ませると、言葉が自然と出てくる
日常で出会った言葉をメモして語彙を育てる
伝えるためではなく、自分を整えるための語彙を意識する
言葉を丁寧に扱うことは、自分自身を丁寧に扱うこと。
「語彙力」は、外に向けるスキルではなく、内側を整えるセルフケアの道具でもあります。
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