仕事や家事の合間、ふと手が伸びるチョコレートやお菓子。「少しだけ」と思っていたのに、気づけば毎日の習慣に…。
実はこの“やめられない”には、脳と血糖値の関係が深くかかわっています。
特に40代以降は、代謝の変化やストレスの影響も重なり、甘いものに頼りやすくなる時期。
今回は、なぜ甘いものがやめられないのかを科学的に紐解きながら、心と体をいたわる砂糖との付き合い方をお届けします。
なぜ「甘いもの」はやめにくいのか?
甘いものを口にすると、脳内では「ドーパミン」という快楽物質が分泌されます。
この心地よさが報酬となり、甘いものを食べるたびに「また食べたい」という回路が強化されていくのです。
特に、空腹やストレスを感じているときは、脳がエネルギー源である糖を強く求めやすくなります。
その結果、無意識のうちに「甘いもので気分を変える」行動が習慣化されやすくなっていきます。
こうした背景を理解することで、単なる“意思の弱さ”ではなく、脳と感情の仕組みが関係していることに気づけるはずです
40代以降、砂糖の影響が出やすくなる理由
年齢を重ねるにつれて、体内のインスリン感受性が徐々に低下し、血糖値のコントロールが難しくなってきます。
その結果、食後に血糖値が急激に上昇し、今度は反動で急降下する「シュガークラッシュ」が起こりやすくなるのです。
この血糖値の大きな波は、体にとってストレスとなり、強い眠気やだるさ、イライラ、集中力の低下など、さまざまな不調を引き起こします。
特に40代以降はこうした影響を受けやすくなるため、日常的な食習慣の見直しが心と体の安定につながります。
砂糖をやめるより「うまくつき合う」発想に
甘いものを完全にやめる必要はありません。
大切なのは、「何を・いつ食べるか」という“質”と“タイミング”を意識することです。
たとえば、おやつを食べるなら血糖値が安定しやすい14〜16時の間がおすすめ。
ナッツや高カカオチョコレートなど、血糖値の急上昇を抑える食品を選ぶことで、満足感も得られやすくなります。
また、空腹時よりも食後に少量の甘いものを楽しむほうが、血糖値の乱高下を防ぎやすく、気分も安定しやすくなります。
「ゼロにする」のではなく、「上手に取り入れる」。
そんな工夫が、甘いものとの心地よい距離感を保つコツです。
おすすめの“砂糖と距離を置く”習慣
甘いものが無性に食べたくなったとき、まずコップ1杯の水を飲んでみる。
それだけで、衝動が少し落ち着くことがあります。
どうしても食べたいときは、一口ずつ丁寧に味わう意識を持つこと。
「ちゃんと味わう」ことで満足感が高まり、量を抑えやすくなります。
また、甘いものを家に常備しないというのも有効です。
「買い置きせず、その場限りで楽しむ」と決めることで、習慣化を防ぎやすくなります。
こうした小さな工夫が、知らず知らずのうちに起きる“ダラダラ食べ”や“無意識の糖摂取”を防ぐことにつながります。
甘いものとうまく付き合うには、意識の「スイッチ」を上手に使うことがポイントです。
心のケアと“甘いもの”の関係を見直す
甘いものに手が伸びる背景には、ストレスや孤独感、達成感の不足など、心の状態が大きく関係しています。
「疲れた=甘いもの」というパターンが習慣化している人も多いかもしれません。
けれど本来、気分転換の方法は一つではありません。
たとえば——
外に出て散歩してみる
ゆっくり深呼吸する
誰かと少し会話をする
そういった小さな行動でも、心はじんわり整っていきます。
「甘いものに頼らなくても、自分を癒せる」選択肢をいくつか持っておくこと。
それが、長期的に心の安定と習慣の見直しにつながっていきます。
甘さに頼りすぎない日々へ——小さな意識の積み重ねを
砂糖は決して「悪者」ではありません。
大切なのは、“どのように付き合うか”という視点です。
特に40代以降は、血糖値や気分の乱れが起きやすくなるため、体と心への影響がより顕著になります。
ちょっとした工夫で、甘いものとの距離感は整えられます。
砂糖は「悪」ではなく、“使い方”が鍵
40代以降は、体と心の反応が出やすい
食後やおやつの時間を“整える時間”に
小さな習慣で、無意識の糖摂取を防ぐ
ストレスや孤独など、心のケアも大切に
「やめる」よりも、「整える」。
甘いものを“心身ケアの一部”と捉え、自分なりの心地よいバランスを見つけていくことが、これからの暮らしの質を上げる第一歩になります。
急には我慢せずに少しづつ減らしてみてはいかがでしょうか。
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